どのような資格なのか
認知症患者への適切なケア方法を身につけ、指導や管理などの人材育成にも役立つ認知症ケア指導管理士が今注目を集めています。この資格には初級と上級があります。初級は家族を介護している人や将来認知症ケアに携わりたい人向けです。上級は認知症ケアの基礎知識や技術を身につけるだけでなくさらに専門性を高めたい人や指導者として後進の育成に携わりたい人向けです。上級を取得するには初級取得後1年以上経過した人、という条件をクリアしなければなりません。まずは初級の取得を目指しましょう。
認知症ケアに関する深い知識が得られる認知症ケア指導管理士は実務に活かせる資格ですが、給与アップや待遇面の改善につながるわけではありません。そのため、取得するメリットがないと思うかもしれませんが、治療を行う際に適切な処置ができたり、在宅で介護している家族の気持ちに寄り添ったアドバイスをしたりと、認知症ケア指導管理士の資格を取得することでできることの幅が広がります。
取得について
初級は職種や経験を問わず、誰でも受験することができます。最近では看護師や医師、介護士だけでなく、家族など身近な人の介護を行うために受験する人も増えています。看護師は「国家資格の保有」という条件を満たしているため、初級と上級の両方を受験することが可能です。
受験するにはまず受験申込書を入手しなければなりません。願書はホームページからダウンロードできますが、電話やメールでも受けつけているので1度問い合わせてみると良いでしょう。受験料は学生か一般かによって異なります。初級は一般が7,500円、学生が4,000円です。
試験はマークシート式で認知症の医学的理解や心理的理解、日常生活の支援、認知症への薬物療法、認知症への非薬物療法、家族への支援、時事問題、などから60問出題されます。試験は東京・大阪の首都圏をはじめ、札幌、仙台、名古屋、福岡、富山など全国数カ所で実施されているので、地方の人も受験しやすいでしょう。
初級の合格基準は総得点の7割以上です。合格率は60~70%なのでそこまで難しいわけではありませんが、しっかりと勉強してから試験に臨むことをおすすめします。上級は1次試験と2次試験がありそれぞれ合格基準も異なります。1次試験は合格最低点以上の点数、2次試験は課題への対応力や判断力が認められたもの、となっています。合格率は1次試験が7%、2次試験で95%なので1次試験に合格できれば資格取得もそれほど難しいことではありません。試験の詳しい概要については以下のサイトを参考にしてください。
- 認知症ケア指導管理士(初級)認定試験
また、認知症ケア指導管理士の資格は更新制なので2年ごとに更新する必要があります。