看護師の職場といえば病院が一般的です。しかし、近年はさまざまな場所で看護師が必要とされています。認知症ケアに携わりたいなら病院だけでなく老人ホームや訪問看護ステーションといった福祉系の施設にも目を向けてみましょう。
看護師の活躍の場は広がっている
看護師は病院の外来や病棟で働くことがほとんどですが、近年は病院以外の場所で働く看護師が増えています。特に目立つのは福祉系の施設です。2000年の介護保険法施行後は介護施設の数が飛躍的に増え、介護士だけでなく看護師の求人も多く募集されるようになりました。介護施設の中で最も数が多いのは有料老人ホームで、2番目が認知症を対象としたグループホーム、3番目が公的施設で安価に利用できる特別養護老人ホームです。どの施設にも看護師が配置されていますが、認知症ケアに携わりたいなら、認知症の高齢者が共同生活を送るグループホームがおすすめです。グループホームは定員が9~18人と小規模なので入居者1人ひとりに合わせたケアを行うことができます。
看護師の役割
グループホームにおける看護師の役割は入居者の健康をサポートし、介護士に医療的なアドバイスや指示を与えることです。グループホームは入居者の自立を促すことが目的で病院のように病気やケガを治療する場所ではありません。高度な医療行為は必要なく、行うとしても体温や血圧測定といったバイタルチェック、痰の吸引、服薬管理、胃ろうや経管栄養の管理などです。そのため、看護師の配置は法律で義務づけられていません。しかし、体調の急変時などに医療機関と連携することもあるため、看護師を採用しているところも多いようです。
日頃から入居者の様子を観察しておく
入居者の中には認知症の症状が進み、自分の状態を正しく伝えることができない人もいます。普段からよく観察し体調に変化がないか確認しておくことが大切です。そのためには入居者と積極的にコミュニケーションをとることが必要です。食事作りや洗濯、掃除などの家事をサポートしたり、入浴や排泄の介助をしたり、話し相手になったりなど、看護業務以外の仕事に携わりなら交流を深めていきましょう。これは認知症患者と密接に関われるグループホームだからこそできることです。仕事の中でどのように接していけば良いのかを学ぶことができます。
グループホームは介護施設の一種なので求人を募集するとしても介護士が中心です。また、看護師の配置が法律で義務づけられていないので、転職したくても求人を募集していない場合もあります。それに募集していても数が少ないため、転職活動がスムーズに進まない場合もあるでしょう。思いつきで行動すると失敗してしまうのでしっかりと準備してから転職活動をはじめるようにしてください。